追悼・緒方拳さん版『桃太郎』
2008/10/13/Mon
緒方拳さんが亡くなって、追悼番組のドラマが放映されています。
[緒方拳] ブログ村キーワード
その中で山田太一さんの作品もあって、一度見た作品ですが、
また見ました。鶴田真由の出ているやつ。
山田作品は昔から好きで、小説やシナリオ本も読んでいました。
しかしシナリオ本を読んだのは失敗で、それ以降山田ドラマを見ていると
セリフがシナリオの活字に変換されて頭に浮かんでしまう、という
現象に見舞われました。
最近は山田先生も連続ものはなく、単発の2時間ものが多いようです。
ご自身もいい年なので、老いをテーマにしたものが多いですね。
山田太一ドラマ・スペシャル『桃太郎』
作:山田太一/主演:緒方拳、吹雪ジュン(ウソ)
爺さん「山にね。柴刈りに行ったんだ」
婆さん「そう」
爺さん「こんな年寄りがね、柴刈りなんて、世間がどう思うか」
婆さん「そんなことない」
爺さん「でも、柴刈り・・・案外楽しめた」
婆さん「そう」
爺さん「柴を刈っているとね。なんだか自分が若くなったような気がして」
婆さん「いいじゃない」
爺さん「年甲斐もなく、はしゃいじまった」
婆さん「・・・あたしもね」
爺さん「え?」
婆さん「隠しててごめん」
爺さん「何を」
婆さん「・・・どんぶらこっこ」
爺さん「どんぶらこっこ?」
婆さん「洗濯。川へ洗濯に行った。そしたら、川上から桃が、どんぶらこっこって」
爺さん「流れて来た?」
婆さん「そう。迷ったけど、ここで桃を放っておいたら、もうあたしの人生、
何もないなって」
爺さん「そんなこと。考えすぎじゃないかな」
婆さん「いいの。自分でも分かってるの。それで、桃、持って帰ってきちゃった」
爺さん「そう」
婆さん「それで割ってみたら、中から男の子が出てきて」
爺さん「・・・驚いたな」
婆さん「そりゃあたしも驚いたけど」
爺さん「・・・名前」
婆さん「え?」
爺さん「名前どうする?」
婆さん「桃から生まれたから・・・桃太郎ってどうかな?」
爺さん「桃太郎・・・いいじゃないか。それ、いいよ」
婆さん「そうかな」
爺さん「いいさ。なんかそういう名前、いいじゃない。鬼退治とか、しそうじゃないか」
婆さん「フフ。財宝とか持って帰って来て」
爺さん「そうさ。そういう人生だって、あっていいんじゃないか」
婆さん「そうね」
庭のイチョウの木が、少し色づき始めていた(完)。
↓明らかに書評と関係ないですが、押していただけると幸いです。

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その中で山田太一さんの作品もあって、一度見た作品ですが、
また見ました。鶴田真由の出ているやつ。
山田作品は昔から好きで、小説やシナリオ本も読んでいました。
しかしシナリオ本を読んだのは失敗で、それ以降山田ドラマを見ていると
セリフがシナリオの活字に変換されて頭に浮かんでしまう、という
現象に見舞われました。
最近は山田先生も連続ものはなく、単発の2時間ものが多いようです。
ご自身もいい年なので、老いをテーマにしたものが多いですね。
山田太一ドラマ・スペシャル『桃太郎』
作:山田太一/主演:緒方拳、吹雪ジュン(ウソ)
爺さん「山にね。柴刈りに行ったんだ」
婆さん「そう」
爺さん「こんな年寄りがね、柴刈りなんて、世間がどう思うか」
婆さん「そんなことない」
爺さん「でも、柴刈り・・・案外楽しめた」
婆さん「そう」
爺さん「柴を刈っているとね。なんだか自分が若くなったような気がして」
婆さん「いいじゃない」
爺さん「年甲斐もなく、はしゃいじまった」
婆さん「・・・あたしもね」
爺さん「え?」
婆さん「隠しててごめん」
爺さん「何を」
婆さん「・・・どんぶらこっこ」
爺さん「どんぶらこっこ?」
婆さん「洗濯。川へ洗濯に行った。そしたら、川上から桃が、どんぶらこっこって」
爺さん「流れて来た?」
婆さん「そう。迷ったけど、ここで桃を放っておいたら、もうあたしの人生、
何もないなって」
爺さん「そんなこと。考えすぎじゃないかな」
婆さん「いいの。自分でも分かってるの。それで、桃、持って帰ってきちゃった」
爺さん「そう」
婆さん「それで割ってみたら、中から男の子が出てきて」
爺さん「・・・驚いたな」
婆さん「そりゃあたしも驚いたけど」
爺さん「・・・名前」
婆さん「え?」
爺さん「名前どうする?」
婆さん「桃から生まれたから・・・桃太郎ってどうかな?」
爺さん「桃太郎・・・いいじゃないか。それ、いいよ」
婆さん「そうかな」
爺さん「いいさ。なんかそういう名前、いいじゃない。鬼退治とか、しそうじゃないか」
婆さん「フフ。財宝とか持って帰って来て」
爺さん「そうさ。そういう人生だって、あっていいんじゃないか」
婆さん「そうね」
庭のイチョウの木が、少し色づき始めていた(完)。
↓明らかに書評と関係ないですが、押していただけると幸いです。




